- 社会政策
- 福祉の経済社会学
学位(取得校)
- 経博(神戸大学)

研究テーマ
社会政策、経済社会学、社会保障政策、地域創生政策
学問としての「社会政策」は、経済社会のさまざまま「社会問題」の原因と対策を明らかにするものです。
今では、「社会政策」といえば、「社会保障政策と労働政策を合わせたもの」と解釈されることが多いのですが、19世紀末から20世紀前半までは、経済社会の本質的な問題、その構造的要因を明らかにすることが目指されていました。私の研究では、こうした「社会政策」という学問の原点を大切にしながら、新しい学問領域として「経済社会学」を掲げています。社会政策から経済社会学への展開は、経済社会全体を見据えた研究となります。
ただし、社会全体の構造を理解するには、具体的な制度・政策課題にも取り組まねばなりません。
「社会保障政策」には、年金、医療、介護などの「社会保険制度」と、障碍者福祉、児童福祉、高齢社会福祉、生活保護制度など「社会福祉制度」をはじめ、さまざまな制度があります。ゼミナールでは、各自が自由にテーマを選び、さまざまな社会保障制度について研究を重ねてきました。
そして、超高齢社会を迎え、わけても「医療保障と介護保障」の財政問題が焦眉の課題となっています。医療費の問題と健康政策の課題を明らかにするため、ここ数年、「全国県保険協会(協会けんぽ)」との連携により、大規模なアンケート調査と健康診断データ、レセプトデータをマッチングさせた分析を始めています。
他方、医療費や要介護高齢者の分布を調査すると、高齢者の健康状態には地域ごとに大きな温度差があることがわかっています。私が20年前から注目してきたのは「日本の原風景」をとどめる中山間地域です。そのなかでも過疎化が進み消滅していく集落と、新しい事業に挑戦して活気を取り戻そうとしている地域、農地・山林を守り育てる元気な高齢者が多い地域など、さまざまな人びとと地域社会があります。中山間地域で取り組んできた研究事業は、2014年第2次安倍内閣が着手した「地方創生」という政策テーマとも深く関連していますが、現在も、多くの地域でのフィールワークを通じて、「地域活性化」「地域創生事業」の研究事業を展開しています。
講義・ゼミの内容
担当経験のある科目
学部講義
「社会政策」「経済政策基礎論」などを担当します。近く「経済社会学」を開講する予定です。
社会政策の講義では、以下の3つの柱で議論を行います。
1.社会政策の歴史
(1)社会政策という学問の歴史、(2)「社会問題」と経済社会の質的・構造的変化、(3)現在の「社会問題」
2.社会保障の必然性
(1)「連帯性原則と補完性原則」、(2)「市場の失敗」と社会保障、(3)社会保障の費用膨張
3. 社会政策から経済社会学へ
(1)「分裂する経済社会」、グローバル化とリージョナル化、IoT・AI技術の可能性、人口政策と移民労働力、(2)近代産業文明の持続可能性、(3)「生きもの」としての人間と社会
大学院講義
「社会政策」:原典文献を用いながら、学部講義の内容をより専門的に高度化した内容として行います。
「経済社会学」:
1. 「社会本質論の系譜」
(1)社会名目論と社会実在論、(2)功利主義とコミュニタリアン、(3)現象学的社会学
2.近代産業文明の経済社会問題
(1)市場の失敗、(2)政府の失敗、(3)コミュニティの失敗
3.地域コミュニティの課題
(1)「行政とコミュニティ」、(2)「小規模多機能自治」、(3)人格の自由と自己実現
学部ゼミ
文献調査:社会保障制度、地域創生政策をはじめ幅広く「経済社会問題」への理解を深めるために、各自の関心のあるテーマでの文献研究を指導します。
現地調査:ゼミ受講者は、兵庫県から全国の多様な地域でのフィールドワークに参加して、実体験をもとに卒業研究に取り組みます。また、東アジア(フィリピン、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、モンゴル、インド)などへのスタディツアーを実施します。
大学院ゼミ
社会保障の各制度、地域創生政策にかんして自由に研究テーマを掲げていただき、文献調査と現地調査をふまえた学位論文に取り組んでいただきます。
メッセージ
毎月、週末に2日間以上のフィールドワークを実施します。
ゼミに入る人には、このフィールドワークは必修ですが、講義履修生は自由に参加して頂けます。
主要業績
上記URLをご参照ください。
お問合せ
fujioka(at)econ.kobe-u.ac.jp
Office hours
木曜日 12時20分~13時10分