橋野 知子

教授
研究分野
  • 日本経済史
  • 経済発展論
  • 数量経済史

学位(取得校)

  • 経博(一橋大学)

 

研究テーマ

近現代日本経済史、経済発展論、集積の開発経済史

私の専門は日本経済史ですが、もともとは経済発展論を志していました。今は、経済史と開発経済学・経済発展論とを架橋するような研究・教育を目指しています。具体的には、近代日本における織物業を中心とした産業集積の形成・発展史を中心として、これまで研究を積み重ねてきました。なぜ集積するのか、集積によってどのような利益が生み出されているのか、また集積の中での生産活動がうまくいくような「仕組み」とはどのようなものなのかを群馬県の桐生、福井県、そして京都・西陣を比較しつつ、またグローバル経済史に位置づけながら研究を進めています。この、桐生・福井・西陣のそれぞれの産地の展開を十分に検討し、「比較産地発展論」を構築し、現代的意義を問うことが、現在の目標です。明治以降に導入された多くの西欧技術が、伝統的な産業にどのように「接ぎ木」されたのか、近代技術の中にどのような伝統が生かされているのかを明らかにしたいと考えています。特に現在は、西陣が多くの影響を受けた、フランス・リヨンの絹織物業と西陣の関係についても考察しており、自らも編集に加わった Vernus, Martini, and Hashino eds., Global History of Silk (Springer 2024 forthcoming)にその成果を発表しています。

学歴および職歴

学歴
1998年 一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位修得退学(2002年、経済学博士)

職歴
1998年 東京都立大学経済学部助手

2000年 駒澤大学経済学部専任講師

2004年 神戸大学大学院経済学研究科助教授

2013年 同教授(現職)

2023年 セーレン株式会社 社外取締役(現在に至る)

客員研究員:ニュー・サウスウエールズ大学(2007)、ジョージ・ワシントン大学(2011-12)、LSE(2011)、スタンフォード大学(2016-17)、ケープタウン大学(2019)、アジア成長研究所(2019-2024)、リヨン第二大学(2020)

講義・ゼミの内容

担当経験のある科目

学部講義

初年次セミナー、基礎演習(学部1回生向け必修、3-4年に一度担当)
まずは、大学で何を学ぶかということを一緒に考えます。そして、そのために必要なツールである、図書館の使い方、グループ・ディスカッション、プレゼンテーションの方法について学んでいきます。基礎演習では、具体的な文献をテーマに、読む、書く、聴く、話すツールを身につけつつ、グループでの活動にとって重要なチーム・ワークに挑戦(?)してもらいます。

経済史(学部1回生向け必修)
この講義では、「グローバル・エコノミック・ヒストリー」の最新の成果を紹介しながら、比較史の視点を養います。それから、経済史が決して暗記科目ではなく、経済学を使って考える学問であることを理解してもらうことが、この科目の目的です。

近現代日本経済史(学部2回生以上、隔年開講)
19-20世紀の日本の経済が、いかにして発展してきたのかを講義します。また、いわゆる「資本主義」がどのように形成されてきたのかをよりよく理解するために、映画を題材にして理解を深めてもらってきました。本講義では、通史として勉強するのではなく、トピックを取り上げながら理解を深め経済史上の出来事と現代経済との関係を考えてもらっています。

大学院講義

Comparative Economic History/Economic History of Modern Japan(大学院講義、英語科目)
近代日本の経済発展を具体的な数量データから把握した上で、江戸時代からの遺産、人的資源の重要性、産業集積・産地の形成といった側面から経済発展を可能とした条件を探ります。

学部ゼミ

良い卒業論文を書くことが、ゼミの一番の目的です。

3回生前期:教員が用意した文献や資料をもとに、文章を読んで書くこと、人の話を能動的に聴いて議論することを徹底的に訓練します。特にアカデミック・ライティングのスキルの習得に、力を入れています。また、神大社会科学系図書館ツアーで、研究・勉強のための図書館の意義を考えます。読売新聞の記事になりました。(URL: https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/20240626-OYT8T50097/ ) 同時にキャリア形成と大学での学びがつながっていることをテキストを用いてグループワークしています。

3回生後期:卒業論文の執筆に向けて、先行研究を読んだり、少しずつ資料を集めたり、調査に行ったり、その結果を報告したりします。研究は一人でするものではなく、人から意見を聞いたり、時には批判されたりしながら進めていくものです。自分が建設的な意見を言うことで、友達の研究をより良くすることもできます。実はこれが大変重要です。卒業論文の作成を通じて、いろんなことを学んで欲しいと思っています。

4回生:各自の卒業論文について、各章ごとに報告してもらいます。

ゼミ全体:皆で同じエッセイや論文を読んで議論したり、OB/OGや社会人をお招きしたり、工場や博物館の見学に出かけたりします。

大学院ゼミ

日本経済史、比較経済史の分野において、国内外の著名な学術雑誌に投稿、掲載することを目標として、論文の作成に取り組んでもらいます。現在は、ゼミでの使用言語は英語です。

メッセージ

講義やゼミは、人数にかかわらず双方向のものになるように心がけています。

橋野ゼミ第一期生(2005年頃)
2013年度卒業式
2014年度卒業式
2016年度卒業式
2016年度打ち上げ
2017年度博士学位取得の小野寺君と
優秀卒論賞を授与された阿由葉君
2022年度卒業式(2023年3月)
2023年度卒業式(2024年3月)
2024年3月 卒業式の2次会
卒業生からのプレゼント

主要業績

  1. A Global History of Silk: Trade and Production from the 16th to the Mid-20th Century, Springer (Pierre Vernus, Manuela Martini, and Tomoko Hashino eds., 2024 forthcoming).
  2. “‘Swallowed.’ Economic History: The Significance of Economic History Research in Economics.” In Keijiro Otsuka et al. eds., Next-Generation of Empirical Research in Economics, 167-192, Singapore: Springer, 2024.
  3. “The Rise and Fall of Industrialization : The Case of Silk Weaving District in Modern Japan”, Australian Economic History Review 60-1, 2019 (with Keijiro Otsuka).
  4. Industrial Districts in History and the Developing World, Springer (Tomoko Hashino and Keijiro Otsuka eds., 2016).
  5. “Cluster-Based Industrial Development in Contemporary Development Countries and Modern Japanese Economic History”, Journal of the Japanese and International Economies 30, 2013 (with Keijiro Otsuka).
  6. “Beyond Marshallian Agglomeration Economies. The Roles of the Local Trade Association in a Meiji Japan Weaving District (1868-1912)”, Business History Review 87, 2013 with Takafumi Kurosawa).
  7. “Hand Looms, Power Looms, and Changing Production Organizations: The Case of the Kiryu Weaving District in Early Twentieth-Century Japan”, Economic History Review 66-3, 2013 (with Keijiro Otsuka).
  8. “Institutionalising Technical Education: The Case of Weaving Districts in Meiji Japan”, Australian Economic History Review 52-1, 2012.
  9. “Industrial District, the Rise and Growth of Small and Medium-sized Enterprises: Mechanical Engineering in the Higashi-Mikawa District”, Japanese Research in Business History (volume24), 2008.
  10. “Tradition and Interaction: Research Trends in Modern Japanese Industrial History”, Australian Economic History Review 44-3, 2004 (with Osamu Saito).
  11. 「『飲み込まれる』経済史ー経済学における経済史研究の存在意義」、大塚啓二郎他編『次世代の実証経済学』、pp.213-232、pp.239-243、日本評論社、2023年。
  12. 「セーレンの経営改革・川田達男-繊維産業の『非常識』への挑戦」、井奥成彦編著 『時代を超えた経営者たち』、日本経済評論社、2017年(中村尚史氏と共著)。
  13. 「産地京都の300年-明治維新から22世紀まで」、『経営史学』51(1)、2016年(高槻泰郎氏・山本千映氏との共著)
  14. 「名門企業の形成と『発展』-福井県精練加工からセーレンへ-」(2015年度年次大会共通論題:地域名門企業の経営革新)、『企業家研究』 13、2016年。
  15. 「産地・産業集積の発展-経済史と開発経済学の融合」、『国民経済雑誌』 214(2)、2016年 (大塚啓二郎氏との共著)。
  16. 『経済発展と産地・市場・制度』、ミネルヴァ書房、2007年。
  17. 『MBAのための日本経営史』、有斐閣、2007年 (鈴木良隆氏・白鳥圭志氏との共著)。 

詳細については、研究業績一覧をご参照ください。

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hashino(at)econ.kobe-u.ac.jp

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