修了生インタビュー

卒業生からのメッセージ

尚 晋

名古屋大学 助教
2023 年度修了

研究者としての道を歩むため

神戸大学経済学研究科を修了した私から、自分の経験に基づいて、いくつかのアドバイスをさせて頂ければと思います。

まず、自分に制限を課さないことが大切です。場所や時間、お金、他人の意見にとらわれず、自分の夢や目標に向かって進んでください。最初の一歩が大切です。大学院での学びや研究は、たくさんの試練がありますが、それらは成長の機会でもあります。新しい分野や自分の可能性を探求するとてもよいチャンスです!

次に、博士課程のスケジュールを把握しつつ、「今」に全力を注ぎましょう。やるべきことはたくさんありますが、焦る必要はありません。やるべきことをTo do listとして書き出して、一つずつ取り組んでいけば大丈夫です。そして、行動が何よりも重要です。素晴らしいアイデアがあっても、それを実行に移さなければ意味がありません。研究中にアイデアが浮かんだら、すぐに形にしてください。

迷ったときは、一人で悩まずに学友や指導教員と相談してください。指導教員のアドバイスは何十篇の先行文献よりも貴重です。博士後期に進学する方は、早めに「論文を書くことは仕事」という意識を持ちましょう。文献を読んでも研究しても、論文を書かなければ成果にはなりません。

最後に、試行錯誤しながらでもよいので、頑張って自分の進む道を見つけてください!間違っても、それは人生の旅の醍醐味です。修了生の一人として、皆さんを応援しています!


卒業生からのメッセージ

広木 隆

マネックス証券 勤務
社会構想大学院大学教授
2021 年度修了

解き明かしたい謎は何ですか?

みなさん、こんにちは。「卒業生からのメッセージ」を寄せる機会をいただき、とても光栄です。ただ、執筆の依頼が来た時、僕でいいの?とも思いました。だって、みなさんが僕の写真を見たら「このおじさん、いったい何十年前の卒業生だよ?」と思うことでしょう。でも、僕が大学院を修了したのは令和3年、ついこの前のことです。僕は50歳代半ばにして社会人大学院生として神戸大学大学院経済学研究科に入学しました。僕はこれまで30年以上も一貫して金融資本市場の仕事をしてきました。実務経験の豊富さだけは自信があります。それでもマーケットの世界はわからないことだらけです。たくさんの謎に満ちています。それが僕にとって幸いでした。なぜなら多くのリサーチ・クエスチョンが日々の仕事の中にあったのですから。ひとつの研究を完成させるにはいくつものハードルを越えていかねばなりません。先行研究の読み込み、実証分析、議論の進め方の検討など、どれも労力を要するものばかりです。ですが、僕が思うには最初のクエスチョンを見つけるところが最大のポイントです。そのクエスチョンが大きければ大きいほど、それを解明したいとのモチベーションが研究の推進力となるでしょう。みなさんにとっての大きな謎はなんですか。きっと解き明かしたい謎があるはずです。その答えを探す旅の扉を経済学研究科で開けてくれることを期待しています。