作成日 April 22nd/2011
更新日 May 25th/2011

到達目標:受講生が財政上の諸問題を理解でき,大学での標準的な財政学の知識を獲得することが目標です。
概要:多くの国において政府の経済活動は重要な役割を演じている。日本でも同様であり,平成22年度の国の一般会計のGDPに対する比率は18%に達している。一方で,市場経済は高い効率性を有しているという事実もある。財政学はこれらを考慮しながら,政府の経済活動の収支にかかわる諸問題を考察するものである。講義では,日本の財政の特徴を概観し,次に,政府の経済活動の必要性を「市場の失敗」から説明する。さらに,政府の経済活動に関する各テーマについて,(i) どのような効果を経済に及ぼすのか,(ii) 財政を支える制度,そして(iii) 望ましい制度はどのようなものか,を解説する。講義の順序は次の通り。

講義の進行は次のようである。今年は,理解度と面白さについてアンケートを採った。その評価は
A=理解できた,大変面白い,
B=大体理解できた,面白い,
C=理解できない部分多い,あまり面白くない,
D=ほとんど理解不能,全く面白くない
である。 第一・二回の講義(4月8日)
:財政学とはどのようなものか,経済学における位置について解説を行った。
理解度 A=12 B=26 C=1 D=0
面白さ A=8 B=26 C=4 D=0
(数字は人数である,以下同じ)

第三・四回の講義(4月15日)
:日本経済の戦後から近年までの動きと財政問題を概観した。
理解度 A=3 B=16 C=16 D=0
面白さ A=3 B=19 C=12 D=1

第五・六回の講義(4月22日)
日本財政の現状を各種のデータから解説した(配付資料あり)。
第一章:市場の成果 キーワード:厚生経済学の基本定理,消費者余剰,生産者余剰,総余剰,ベンサム的厚生,ロールズ的厚生,根岸的厚生
理解度 A=11 B=19 C=7 D=0
面白さ A=11 B=24 C=2 D=0

第七・八回の講義(5月6日)
:パレート効率性の必要条件(限界代替率と限界変換率の一致),市場の失敗。
第二章:公共財の理論 定義,
第一節 公共財の私的供給,ただ乗りの表現
理解度 A=1 B=19 C=14 D=3
面白さ A=1 B=28 C=7 D=1
  • 5月6日練習問題解答

  • 第九・十回の講義(5月13日)
    柴田・Warr の中立性命題(図解)
    第二節 サミュエルソン・ルール
    理解度 A=3 B=19 C=13 D=2
    面白さ A=5 B=26 C=8 D=0
  • 5月13日練習問題解答

  • 第十一・十二回の講義(5月20日)
    第三節 リンダール均衡
      税価格,受益者負担,
    第三章 課税の理論
    第一節 税と超過負担
    直接税と間接税,間接税の引き起こす超過負担,租税競争と租税調和,
    リトルの主張:所得税も間接税の一種ではないか。
    一括税 (lump-sum tax) は効率性と矛盾しない課税
    ハーバーガーの1964年の超過負担の計算を紹介した。
    理解度 A=6 B=27 C=3 D=1
    面白さ A=5 B=28 C=4 D=0
  • 5月20日練習問題解答

  • 第十三・十四回の講義(5月27日)



    第一回:財政とは何か
    第二回:日本の財政 日本経済の発展と財政
    第三回:日本の財政 現状と概観
    第四回:市場の成果 需要と供給
    第五回:市場の成果 厚生経済学の基本定理
    第六回:市場の失敗
    第七回:公共財 私的供給
    第八回:公共財(2) サミュエソン・ルール
    第九回:公共財(3)リンダール均衡と受益者負担
    第十回:租税(1)間接税と超過負担
    第十一回:租税(2)直接税
    第十二回:租税(3)最適課税
    第十三回:社会保障(1)年金
    第十四回:社会保障(2)医療
    第十五回:まとめと質疑応答
    教科書・参考書

    教科書:入谷著『財政学入門(第二版)』日経文庫。
    資料等は適宜紹介します。