神大経済について

研究科長からのメッセージ

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六甲台の緑と広がる未来が皆さんをお待ちしています。



 経済という言葉は,経世済民という言葉を短くしたものです。経という字はもともと縦糸あるいは縦線を表わし,地図の縦(南北)の線,経線がまさにこれに当たります。これに対して,地図の横(東西)の線を緯線ということからも分かるように,緯は横糸あるいは横線のことです。縦糸(経)と横糸(緯)が紡がれて物事はできるので,そこに至るまでのいきさつのことを経緯といいます。経世済民の場合の経も縦糸を表し,経世済民とは,縦糸を使って人形を巧みに操るように,人間が知恵という縦糸を使って世の中をうまく導き(治めて),民(衆)を救う(救済する)というような意味です。それゆえ,経世済民の学問である経済学は,本来の意味を考えると,現在の狭い意味での経済学だけでなく,政治学・社会学などを含む幅広い学問です。実際,神戸大学経済学部・経済学研究科は,狭義の経済学にとどまらない,皆さんの幅広い知的好奇心に応えることができる,素晴らしい教育研究機関となっています。その経緯について,少しお話したいと思います。

 神戸大学経済学部・経済学研究科の縦糸の始まりは,115年以上前まで遡ります。1902年(明治35年)に設立された官立神戸高等商業学校がそれです。それ以降,多くの有為な人材を実業界や官界,政界に輩出してきました。また,1953年(昭和28年)には大学院経済学研究科が設置され,学界で活躍する多くの優秀な研究者を育成してきました。それらの方々がそれぞれに新しい縦糸を紡ぎ出し今日に至っています。永い歴史と伝統という縦糸とともに,現在の神戸大学経済学部・経済学研究科を織り上げている横糸のうち,皆さんに是非知っていてほしいものに次のようなものがあります。

 第一は,50名を超えるスタッフが,経済学のほぼすべての分野にわたって,最先端の研究ときめの細かい教育を行っていることです。世界経済,地球環境などの今日的な問題・課題についての研究・教育にも早くから取り組み,EU(欧州連合)インスティテュート関西やESD(持続可能な開発のための教育)コースなどで多くの成果を上げてきました。

 第二は,実学と少人数教育を重視していることです。学部では3・4年次に開講される1クラス10名前後のゼミ(研究指導)が教育の中心の一つで,専門分野を研究するだけでなく,教員や他のゼミ生との密接なつながりを通じた人間形成の場ともなっています。一橋大学,大阪市立大学との三商大討論会(三商ゼミ)は,ゼミ活動を基礎とした他大学との交流の伝統を65年の時を越えて今に伝えています。大学院においても,ゼミでの教員と学生との活発な議論と切磋琢磨の中から,最先端の研究を行える自立した専門家が養成されています。

 第三は,学生の皆さんの多様なニーズに対応した多くのコースやプログラムがあることです。学部には,法学部と協力した法経連携専門教育プログラム,EUの専門家を目指す学生のためのEUエキスパート人材養成プログラム(KUPES),情報化社会の進展に対応した数理・データサイエンス標準カリキュラムコース,大学院には,研究者養成を目的とする本科コースに加え,高度専門職業人の育成のための専修コース,英語だけで修士号を取得し世界で活躍できる専門家を養成するためのグローバルマスタープログラム(GMAP)があります。また,国際性と専門性を身に付け世界の舞台で活躍したいという人のためには,学部・大学院(修士)の5年一貫経済学国際教育プログラム(IFEEK)も用意されています。

 第四は,経済学部,法学部,経営学部といった社会科学系の学部・大学院の卒業生・修了生によって組織されるOB会である「凌霜会」のネットワークを,学部・大学院の在学中から準会員として利用できることです。神戸大学経済学部・経済学研究科で学ぶようになると,素晴らしい縦糸(永い歴史と伝統)と横糸(しっかりした現在の組織とつながり)が織り上げる力強さと美しさを必ず実感できるでしょう。皆さんを心よりお待ちしています。

経済学部長・経済学研究科長 中村 保

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