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春山 鉄源

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春山 鉄源 HARUYAMA Tetsugen 教授

春山 鉄源

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URL

http://www2.kobe-u.ac.jp/~haruyama/

研究テーマ

経済成長理論,技術進歩

1人当たり実質GDP(国内総生産)は経済の豊かさを示す1つの尺度として広く使われ,その増加分をパーセンテージで表したものが経済成長率です。今日の1人当たり実質GDPを100とすると,年率2%で成長した場合,100年後には約7倍の725になります。それが3%で成長すると約19倍の1922に膨れ上がります。成長率のほんの少しの差(この例では1%)で,経済の豊かさは大きく異なることになります。図1は,世界121カ国の1951〜2013年の平均成長率の分布を示していますが,最高値と最小値の差は6.9%にもなります。もし図1にある率でそれぞれの国が成長すると,100年後の所得格差はとても大きなものになってしまうことは容易に想像できると思います。では,何が原因で経済成長率に(ほんの少しの)差が発生するのでしょう。それを理論的に解明しようとするのが私の研究テーマです。特に,経済成長の最も重要な「エンジン」である技術進歩の役割について研究を進めています。

      

 

講義・ゼミの内容

【学部講義】
「中級マクロ経済学I」及び「中級マクロ経済学II」
授業のテーマは,入門レベルのマクロ経済学です。個人や企業の行動を考えるミクロ経済学と違い,マクロ経済学では経済全体の動きを考えます。例えば,インフレ率や失業率です。私が研究している「経済成長」もマクロ経済学の1分野です。また,よく話題にあがる日銀の金融政策や政府負債もマクロ経済学で扱うトピックです。授業では,図やデータを示すのに重宝するパワーポイントを使います。また簡単な数式を使い,できるだけ直感的な説明をしながら議論を進めます。マクロ経済学は,ミクロ経済学と並んで,経済学の様々な分野の重要な基礎となるコア科目であり,経済学部生には必修科目です。

「特別演習(IFEEK)IIIA」及び「特別演習(IFEEK)IIIB」
少人数の演習形式で,入門レベルのミクロ経済学及びマクロ経済学を英語で学びます。授業は100%英語でおこない,留学先でのチュートリアル形式の授業に対しての練習・準備として提供しています。授業の到達目標として,以下を設定しています。
(1)与えられた課題を英語で分かりやすく説明できるようになる。
(2)ミクロ経済学及びマクロ経済学の用語を英語で自由に使えるようになる。
(3)数式や図を英語で説明できるようになる。
この授業は,5年間で学士・修士の学位取得を目的とする5年一貫経済学国際教育プログラムの必修科目です。授業内容の理解だけではなく,トライする積極性が求められる授業です。

 

【大学院講義】
「マクロ経済学IA」及び「マクロ経済学IB」
学部で学ぶマクロ経済学と大学院レベルのマクロ経済学には,要求される数学の知識が大きく異なります。そのギャップを少しでも埋めながら,より高度な手法を駆使しマクロ経済の学修を可能にするために提供される科目です。大学院前期課程本科コースの必修科目であり,マクロ経済学に関する研究のためには欠かせない科目です。マクロ経済に関する研究の基本となるラムゼー・モデルを離散時間と連続時間の両方の枠組みで考察し,景気循環などへの応用を議論します。また,もう一つの重要な理論的フレームワークである世代重複モデルを展開し,年金問題などへの応用を議論します。大学院レベルのマクロ経済学の特徴は,「時間」を明示的に導入する動学的な手法にあります。

「マクロ経済学II」
この科目は,マクロ経済学IA・IBの基本的なアプローチを基本として,マクロ経済学研究で扱われているトピックを紹介します。例えば,内生的成長理論の国際貿易への応用などが挙げられます。

「Macroeconomics」
この科目は,GMAPコース及び国際コースに提供される授業です。内容は「マクロ経済学IA」及び「マクロ経済学IB」に沿っていますが,英語のみで授業を行います。

 

【学部ゼミ】
春山ゼミの目的は2つあります。
(1)経済成長理論と関連するトピックについての理解を深める。
(2)プレゼンテーションなどを通して英語力を向上させる。
まず(1)について。「なぜある国は豊かで,他の国は貧しいのか?」「なぜ国によって経済成長率は異なるのか?」これらはマクロ経済学の最も重要な問題といわれています。この問に答えるには,経済を様々な側面(例えば,資本蓄積,教育,所得分布,文化,技術進歩)から考察する必要がありますが,ゼミではその基本となる文献の輪読をおこないます。毎回,ゼミ生はパワーポイントを使い,準備した内容について報告し,議論します。次に(2)について。英語能力の重要性は多くの人が認識していますが,日本人にとってスピーキングは苦手意識が非常に高いと言われています。これからは,様々な場面で高いスピーキング能力が「前提」となることが予想されます。その準備に少しでも役に立つように,経済学に関する5分間スピーチをおこなっています。またチャンスがあれば,ゼミ生に英語プレゼンテーション・コンテストの参加を奨めています。

 

【大学院ゼミ】
以下がゼミで扱うトピックです。
Major Topics: 経済成長を含む動学マクロ経済学
Minor Topics: 技術進歩,国際貿易
これらのトピックに関する研究をおこない,最終的には修士論文・博士論文を執筆することを目的としています。ゼミでは主に関連分野の書籍や論文の輪読を行います。以下が前期課程のおおまかな計画です。
【1年目】マクロ動学分析に必要な基礎的なツールを学ぶと共に修士論文トピックを考える。
【2年目】修士論文に関する分野のサーベイをし本格的に修士論文を執筆する。
研究手法として理論的なアプローチが強調されるゼミなので「マクロ経済学IA・IB」と「ミクロ経済学IA・IB」の履修を強く推奨します。後期課程では,既存研究や学生自身のアイデア・論文に関する報告を随時おこないます。使用言語は日本語と英語の両方です。研究課題と手法に関しては,可能な限り参加者の希望を取り入れています。

 

メッセージ

経済学に関するよくある誤解があります。「経済学はお金儲けに役に立ちそう」と思う人が少なくありません。もちろん,経済学を知らないよりは,知っている方がお金儲けには有用でしょう。しかし,「知っている方がまし」という程度のものであり,そのことは経済学者が長者番付には入っていないことからも窺えるでしょう。では,何のために経済学を研究するのでしょう。経済学は,人々の生活や経済全体がより「豊か」になるためにはどうすれば良いかを考える学問なのです。私が専門としている経済成長は,まさしく国の豊かさの長期的な変化に関する研究分野です。一方で,どうすれば経済成長を促し,皆がより豊かになれるのかについての完璧な解は未だに見つかっていません。その「処方箋」を探し続けることが私の研究です。Would you like to join me in an effort of finding prescriptions for making people's life better?

 

主要業績
  • 1. "R&D Policy in a Volatile Economy", Journal of Economic Dynamics and Control, 2009 (October), vol.33, issue 10, pp.1761-1778.

  • 2. "Competitive Innovation with Codified and Tacit Knowledge", Scottish Journal of Political Economy, 2009 (September), vol.56, issue 4, pp.390-414.

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