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橋野 知子

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橋野 知子 HASHINO Tomoko 教授

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URL

http://www.econ.kobe-u.ac.jp/faculty/fields/history/cv_hashino.pdf

研究テーマ

日本経済史、集積の開発経済史

 私の専門は、日本経済史ですが、もともとは経済発展論を志していました。今は、経済史と開発経済学・経済発展論とを架橋するような研究・教育を目指しています。
 具体的には、日本における織物業を中心とした産業集積の形成・発展史を中心に、これまで研究を続けてきました。多くの国で工業化の初期に重要な役割を果たした繊維産業は、国内・国際経済のさまざまな変化の中で大きな変貌を遂げてきた重要な産業です。なぜ集積するのか、集積によってどのような利益が生み出されているのか、また集積の中での生産活動がうまくいくような「仕組み」とは、どのようなものなのかを日本の群馬県の桐生、福井県、そして京都・西陣を比較しながら研究を進めています。「産業の運命」と名付けたい、繊維産業全体の歴史的な動きを描く仕事は、まだまだ先のことになりそうですが、今のところは近代における桐生・福井・西陣のそれぞれの産地の展開を十分に検討し、「比較産地発展論」を構築することを目標としています。また、途上国において繊維産業をいかに発展させるかという重要課題にも、大変興味があります。
 さらに、近代以降の西陣を含む「産地京都」に関心があります。京都は伝統産業から近代産業まで、さまざまな産業が共存する興味深い産地です。京都は、長い間日本の都として日本の技術水準の先端を担っており、また奢侈品の生産のメッカでもありました。明治以降に導入された多くの西欧技術が、伝統的な産業にどのように「接ぎ木」されたのか、近代技術の中にどのような伝統が生かされているのかに、大変な関心を持っています。
 これは、本来なら真っ先に取り組むべき課題だったかもしれません。国際都市・神戸における産業発展史を集積の視点から明らかにし、今後の更なる発展のために、インプリケーションを導き出したいと考えています。現在は、本学の社会システムイノベーションセンターのプロジェクトの一環として「企業資料の再検討による経済史・経営史の融合的研究」を学内外の共同研究者と進めています。これは、本学にニッケ(日本毛織)から寄贈された貴重資料を近代日本に移植された重要産業の一つである、羊毛工業の形成・成長・発展をさまざまな角度から分析する新たな試みです。
 なお近年は、自分の研究をより多くの人に理解してもらうために、日本の経済発展をグローバル・エコノミック・ヒストリーに位置付けるために、積極的に英語で論文を書いて発表・報告しています。


講義・ゼミの内容

「近現代日本経済史」(Q1:2-4回生向け)

    

    

 

【大学院】※2019年度は、新規での院生の募集はいたしません。
*Sorry, due to the sabbatical leave in academic year of 2019, I will not have seminar for guraduate students.
Economic History of Modern Japan (Q4, lecture in English)


【学部ゼミ】※2019年度にサバティカル・リーブをとるため、2017-18年度は募集を停止します。
 ゼミの活動の内容は、大きく分けて3つあります。
 一つ目は、久米邦武編『米欧回覧実記』 を読むことです。これは、みなさんご存じの岩倉使節団の旅行記録です。一行は1871(明治4)年11月に横浜からサンフランシスコを目指して出発し、アメリカ、イギリス、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、ロシア、デンマーク、スウェーデン、イタリア、オーストリア、スイスの12か国を訪れ、1873(明治5)年9月に帰国しました。彼らの見聞は、その後の日本の近代化政策に大きな影響を与えます。当時の日本のトップが何を見て何を考えたのか、約150年前の日本人の気持ちを理解しながら、一語一語丁寧にゆっくり読み地図で彼らの居場所を確認しながら、議論しています。
 二つ目は、卒業研究です。私のゼミでは、良い卒業論文を書くことが個々の一番の目標です。ゼミに所属してすぐの段階から、卒業研究のテーマ探しをして、報告の仕方、ディスカッションの方法、文献探し、レポートや論文などのアカデミック・ライティングを学んでいきます。個人報告に対して、その人の研究がもっと良くなるように良いコメントをすること、そして良いコメントをするために能動的に報告を聴くことが大変重視されます。これらのスキルは近い将来役に立つだけでなく、日々の生活にも生かされていくはずです。その成果として、橋野ゼミの学生は、過去6回、経済学部の優秀卒業論文賞(白木賞)に選ばれ、その後学界でも活躍しています。
 三つ目は、大学の外の世界にも触れることです。年に数回ではありますが、企業・工場見学を行って、本を読んで得た知識を実際の世界に照らし合わせて理解を深めます。2015年度は、トヨタの工場や産業技術記念館を訪れ、日本のものづくりの現場や歴史を肌で感じてきました。昨年度は創業300年を来年迎える沢の鶴におじゃまして、西向賞雄取締役、牧野秀樹醸造課長より、灘の酒の歴史と現在について詳細な説明をいただき、勉強してきました。また例年、阪神間で活躍する企業人や神大OB/OGにゼミにおいでいただき、ゼミ生が仕事や職業に対する視点を深める機会を作っています。
 2015年度は中村卓史氏(住友商事、神大OB)においでいただき「仕事とは何か」についてお話いただきました。2017年度前期には、大阪の大同生命を訪問し、大変特徴あるビジネス・モデルを勉強させていただく機会を得ました。また本学経済経営研究所の「兼松記念館」という映画のシーンにもよく利用される歴史的建造物の中も見学させていただきました。

 なお、2017年度後期からは、英語でのプレゼンテーションを実施し、グローバルな「人財」となるよう、ゼミ生一同、努力しています。


【大学院ゼミ】
 大学院ゼミは国内外のジャーナルへの投稿論文や修士・博士論文を完成させることを目的としています。

メッセージ

 講義は、人数にかかわらず双方向のものになるように心がけています。経済史や近現代日本経済史は、現代の日本社会のみならず世界を理解する上で、そして将来組織のトップに立つ人にとって大変重要な分野ですので、一人でも多くの学生に学んでほしいと真剣に思っています。また、途上国を研究したい人にとっても、日本の経験を学ぶことにより、視野が大きく広がります。最近のことではありますが、私自身については、途上国を訪れ、経済の発展するプロセスを実際に自分の目で眼ることによって、日本の経験をもっともっと生かしたいと強く思うようになりました。
 ゼミでは、卒業研究に打ち込みたい学生を歓迎します。ゼミは、学問を通じて友情をはぐくみ、自らを成長させる場です。これは、大学教育の醍醐味ともいえます。社会で活躍するOB/OGが会いに来て後輩にアドバイスしてくれたり、お酒を飲みながらお互いの仕事の話をしたりなど、人生を通じてゼミの仲間と長く付き合えることは、私のこの上ない喜びです。

   

 2017年度卒業式               2017年度博士学位取得の小野寺君と

   

 2017年度うちあげ             うちあげ恒例のしゃぶしゃぶパーティー

   

 2016年度卒業式               2016年度打ち上げ

2014年度卒業式 

 

2013年度卒業式               橋野ゼミ第一期生(2005年頃)

  

 

主要業績
  1. 1. "The Rise and Fall of Industrialisation: The Case of a Silk Weaving District in Modern Japan", Australian Economic History Review (with Keijiro Otsuka, forthcoming).

  2. 2. Industrial Districts in History and the Developing World, Springer (Tomoko Hashino and Keijiro Otsuka eds., 2016).

  3. 3. "Cluster-Based Industrial Development in Contemporary Development Countries and Modern Japanese Economic History", Journal of the Japanese and International Economies 30, 2013 (with Keijiro Otsuka).

  4. 4. "Beyond Marshallian Agglomeration Economies: The Roles of the Local Trade Association in a Meiji Japan Weaving District(1868-1912)", Business History Review 87, 2013(with Takafumi Kurosawa).

  5. 5. "Hand Looms, Power Looms, and Changing Production Organizations: The Case of the Kiryu Weaving District in Early Twentieth-Century Japan", Economic History Review 66-3, 2013 (with Keijiro Otsuka).

  6. 6. "Institutionalising Technical Education: The Case of Weaving Districts in Meiji Japan", Australian Economic History Review 52-1, 2012.

  7. 7. "Industrial District, the Rise and Growth of Small and Medium-sized Enterprises: Mechanical Engineering in the Higashi-Mikawa District", Japanese Research in Business History (volume24), 2008.

  8. 8. "Tradition and Interaction: Research Trends in Modern Japanese Industrial History", Australian Economic History Review 44-3, 2004 (with Osamu Saito).

  9. 9. 「セーレンの経営革命・川田達男-繊維産業の『非常識』への挑戦」、井奥成彦編著『時代を超えた経営者たち』、日本経済評論者、2017年(中村尚史氏と共著)。

  10. 10. 「産地京都の300年-明治維新から22世紀まで」、『経営史学』51(1)、2016年(高槻泰郎氏・山本千映氏との共著)。

  11. 11. 「名門企業の形成と『発展』-福井県精練加工からセーレンへ-」(2015年度年次大会共通論題:地域名門企業の経営革新)、『企業家研究』13、2016年。

  12. 12. 「産地・産業集績の発展-経済史と開発経済学の融合」、『国民経済雑誌』214(2)、2016年(大塚啓二郎氏との共著)。

  13. 13. 『経済発展と産地・市場・制度』、ミネルヴァ書房、2007年。

  14. 14. 『MBAのための日本経営史』、有斐閣、2007年(鈴木良隆氏・白鳥圭志氏との共著)。

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