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経済学とは − 様々な角度からアプローチ可能な、懐の広い学問
経済学と一口に言いますが、そのきちんとした定義を与えることは実は簡単ではありません。今日の経済学に大きな足跡を残したケインズは、「経済学の大家はもろもろの資質のまれなる組合わせを所持していなければならない。…彼はある程度まで数学者で、歴史家で、政治家で、哲学者でもなければならない。」と言っています。経済学者は、色々な別の顔を持っていなければいけないようです。そして、経済学は様々なアプローチが切磋琢磨しながら共存している分野です。だから皆さんは、その中で自分に合ったものを選べばよいのです。経済学自体は一つの険しい山にたとえていいかもしれませんが、ならばその裾野は意外に広いというべきです。どうか皆さんには、自分なりのやり方で、大学在学中をかけて登る価値のあるこの山に挑んでほしいと思います。次に経済学に関してよく寄せられる質問について、いくつか答えておきます。
Q1 経済学は何を勉強するのですか?
経済学は、私たちが暮らす社会の動きや仕組みを明らかにしようとする学問です。皆さんがニュースを見ていると、「先月の全国消費者物価上昇率は1.5%でした。」というようなニュースが流れます。消費者物価とは何でしょうか。どうして物価は(あるいはガソリンの値段は)上がったり、下がったりするのでしょうか。消費者物価が上がると私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか。消費者物価が上がらないようにするにはどのような政策が必要なのでしょうか。
経済学は、大きくは経済理論、経済史、経済政策に分かれます。経済理論は、消費者や企業という経済主体の意思決定を扱うミクロ経済学と、経済成長など社会全体の経済の動きを扱うマクロ経済学に分かれます。経済史は様々な経済現象を時間を軸に記述します。経済政策は、経済理論や経済史で得られた知識を使って、私たちが直面する経済問題を解決するための政策を考えます。経済学を勉強することによって、仕事や生活の上で必要な、経済だけではなく、社会全体がどのように動いているのかを理解することができるようになります。
Q2 経済学と経営学(商学)はどう違うのですか?
経済学と経営学(商学)は、 モノとお金の流れを扱う学問という点では似ているところがあります。しかし、経済学は、日本やアメリカ、あるいは兵庫県や神戸市といった地域・世界の経済、そして金融や環境といった部門の経済がどのようになっているのか、そしてどうあるべきかを主に研究しています。これに対して経営学(商学)は、企業の経営がどのようになっているのか、そしてどうあるべきかを研究します。地図をイメージすると、空から眺めて皆さんの住んでいる街、日本、世界は、今どのような姿をしているのか、古い地図と比べたらどう違っているのか、将来どのような姿になるのか、といったことを考えるのが経済学です。このように、経済学は私たちの身の回りに起きている様々な出来事を広い視野から論理的に考えようとする学問なのです。
Q3 経済学を勉強するためには何が必要ですか?
経済学は、社会の動きや仕組みを考える学問ですから、社会に起きている様々な出来事への観察力や問題意識が必要です。まずは、世の中で何が起きているのかを知るため、新聞やテレビ、インターネットのニュースに触れて下さい。また、最近の経済はますますグローバル化しています。世界とコンタクトするため、英語を含めた外国語の修得が必須になって来ています。
例えば、ガソリンの値段が上がったのを知ったとして、次はなぜ上がったのかです。「・・・があったからガソリンの値段が上がった」、と論理的に考える力が必要です。現在の経済学では、因果関係を分析するために数学や統計学がよく使われます。また、ガソリンの例で言えば、石油の主たる産出地である中東地域の歴史や情勢を含めた幅広い知識と分析が必要です。
つまり、あなたが興味を持った世の中の出来事を、幅広い知識を総動員しながら、論理的に突き詰めて考える学問、これが経済学なのです。難しそうに見えますが、地道な勉強を積み重ねていけば大丈夫です。
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