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在学生・修了生の声

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「“あの時の選択”が、私の人生にこれほどの広がりと
深みを与えてくれることになろうとは…」

 私は、以前、証券会社に勤務していましたが、「金融サービス」を提供する中で、多くの金融教育を受けていない購入者は、「金融サービス」の質の良し悪しを見極めることができず、その結果「金融サービス」の質は上がらないと日々感じていました。その克服には「一般生活者への金融知識の普及しかない」と考え、退社独立して、各種セミナーやメディアによる金融知識などの情報発信をしていました。しかし、その活動量が増えるのにともない、より正確で深い経済理論を学ぶ必要性を感じるようになっていく一方で、ますます時間の融通が利きにくくなる中、どのように本格的な理論を学ぶべきかと模索しているときに知ったのが、社会人が学びやすいようにカリキュラムが考えられている「神戸大学大学院経済学研究科・社会人コース」でした。仕事との両立は可能なのだろうかとの不安もよぎりましたが、選択に迷いはありませんでした。
 入学してみると、その充実度は想像以上でした。
 社会人入学者の年齢の幅が広く、職種も多岐にわたり、さらに本科生主体の演習(ゼミ)や科目を履修できるため、20代の若い世代や海外からの留学生など多様な学生と議論ができます。また、「社会」を分析する学問である経済学はその範囲が広いのですが、ほぼすべての分野がカバーされています。誠実な先生方のもと多くの科目を履修する中で、これまで感覚的に捉えていたことが論理的に展開されていくことに、学びの楽しみが加速しました。
 経済学は「社会科学の女王」と言われる通り、現象を科学的に論理的に考える学問ですが、理論と外れるような現象が生まれても、その要因を論理的に見出そうとする習慣がつき、経済学に限らず、日頃のモノの見方や行動の仕方においてもバージョンアップした自分を実感しています。
一方、在学中から卒業後も継続していた「金融知識の普及活動」ですが、社会に出る前の大学生にこそ金融教育が必要だと思うようになり始めた頃、運よく、私立大学に専任教員として採用していただき、今はほとんどの時間をそれに充てています。同じ対象者に継続的にカリキュラムを提供できることは、従来型のマスメディアや一般セミナーではできないことです。このような機会をいただけたことは、まさに大学院での学びに因るものだと考えています。
 現代社会はますます複雑になっており、「社会」で起こる現象について、経済学という一つの学問ですべてを理解することは難しく、他の学問との連携も必要とされていますが、「社会」の現象を分析するわけですから「経済学」の考え方や手法は外せません。「経済学」という共通のモノサシを使いながら、他分野にわたる専門家が協同で社会の問題点を克服する必要が出てきているわけですが、その過程を経験することもできました。
 それは、メーカーに勤める社会人学生(同期生)から「環境問題」の共同研究に参加の声を掛けてもらったことから始まりました。当初メンバーは、その同期生の所属する環境経済学のゼミの先生、地方自治体や金融機関に勤務する「社会人ゼミ生」でしたが、その後、青森の自治体職員や他大学の先生も加わり、「経済学」を共通認識として各分野の専門家の立場から「環境問題」を議論し、2007年には「大量消費大量廃棄社会からの脱却を通じて地球環境の保全に寄与すること」を目的とするNPOの設立に至りました。
社会を分析する上で必須の「経済学」を軸に、「cool head but warm heart」の資質を持った多方面の専門家が集まることで生み出されるものは計り知れず、社会に貢献していくダイナミズムを味わえる現場に居合わせることができたのは、“あの時の選択”があったからこそだと…。
 仰げば六甲の緑、眼下には青い海、そして100万ドルの夜景が臨める「六甲台」での学びは、私のCampus (フィールド)にも彩りを加えてくれました。

 上野 博美

 

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